お花のお手入れ方法のあれこれ


水揚げとは

切り花は根のある自然な状態とは違い、水を吸い上げる力が弱くなっています。

そこで水を吸い上げやすくしてあげるのです。

その方法を「水揚げ」と言います。

お花にたくさんの種類があるように、それぞれに適した方法があります。

それぞれのお花に適したケアを行うことにより、より長くお花をお楽しみいただけます。


水切り

水切りとは・・・

お花を包装紙や新聞紙などで巻きます。

次にきれいな水の中で切れ味の良いハサミで斜めにカットし、

そのまま水の中に30~1時間つけたままにしておく方法です。

 

 

●なぜ包装紙などに巻くのか・・・

  包装紙などに巻くとまっすぐに水を吸い上げるためです。

  また葉っぱからの余分な蒸発を抑えるためです。

 

●なぜ斜めに切るのか・・・

  水を吸い上げる面積が広くなるためです。

  また水平に切ってしまうと茎の細胞が押しつぶされる恐れがあるためです。

 

●なぜ水の中で切るのか・・・

  持ち帰るまでに茎の先が乾いてしまうからです。

  水の中で切ることにより、細胞の中に空気が全く入らないので、

  よく水を吸い上げます。

 

注意点1

  細胞に空気が入ってしまうと、花首で折れる原因になります。

 

注意点2

  切れにくいハサミを使っていると、茎の細胞を壊すことになり、

  適切な水揚げができず花持ちに悪い影響を与えます。

  お花を1にちでも長く楽しむために、よく切れる切り花専用の

  剪定ハサミをお勧めします。

  教室でお勧めいているハサミについてはお尋ねください。

 


手折り

手折りとは・・・

手で茎をポキッと追ってしまう方法です。

(水の中で折ることをおすすめします。)

 

手折り品種

トルコキキョウ

リンドウ

菊類

サンタンカなど

 

なぜ手折りが必要なのか・・・

  手折りはハサミで切るよりも、水を吸い上げる面積が大きくなるためです。

  また手折りすることで、水揚げがスムーズに行えます。


叩き

叩きとは・・・

硬く引き締まった茎の繊維を広げて柔らかくし、水を吸い上げる面積を広げる方法です。

 

注意点1

  叩くと茎の破片などが枝につき、バクテリア発生の原因になります。

  水できれいに洗い流してから生けてください。

 

注意点2

  お花によっては金属反応で水気に栄養が出る場合がありますので、鉄鎚より木槌で行ってください。

 

注意点3

  叩きすぎると細胞を壊してしまいます。

  「叩く」というより「割る」という感じで行ってください。

 

 


水替えについて

お花を1日でも長く楽しむためには、毎日水替えをすることをおすすめします。

毎日は大変という方は、最低でも水が濁っていたら必ず替えるようにしてください。

(3日に1回は必ず行うようにしてください。)

 

なぜ毎日お水替えが必要なのか・・・

  お花は生物なので、吸い上げた水の分だけ水の中にバクテリアを発生させます。

  そのバクテリアをお花が再び吸い上げ、花持ちに悪影響を与えるためです。

  長持ち液を使うのも一つの方法です。

 

 


切り戻しについて

切り戻しとは、茎の先の水を給水するところに詰まった汚れを切り落とすことです。

茎の先が茶色く変色している場合は、植物が水を吸うことが困難になっていますので、

切り戻しを行ってください。茎の先を1cmほど切る。

水切りを行うことで、切り戻しもさらに効果が出ます。

 

 

置き場所について

クーラーや暖房の風が直接当たる場所は、

お花を乾燥させるため厳禁です。

直射日光の当たる場所も高温になりますので避けてください。

お花にとって最適な場所は、お花が育った環境に一番近いところです。

夏に育ったお花は温かいところ、冬に育ったお花は涼しいところが最適です。

 

 


水量について

 

お水の量は基本的には少量にしこまめに水替えを行うことが最適です。

お花は根から水を吸い上げますので、茎の先さえ水につかっていれば大丈夫です。

ただし水量が少なすぎると水を吸いきって無くなってしまうことや、

水が早く濁る原因になりますので、ある程度の水が必要です。

逆に水量が多すぎると、お花の茎を傷める原因になります。

例:ガーベラは少量をおすすめします。